化粧品OEMのブログ

初めての化粧品OEM製造

美容医療の分野では、「信頼できる製品を患者様に届けたい」「施術後のケアに合ったアイテムを用意したい」という声が高まっています。そうした中、自院のブランドでオリジナル化粧品を提供するクリニックが増えてきました。特に注目されているのが、OEM(Original Equipment Manufacturer)という製造スタイルです。
OEM化粧品製造」と聞くと、工場や専門知識がないと難しいのでは?と思われがちですが、近年では企画から納品までをサポートするパートナー企業の登場により、初めてでも安心して始められる環境が整っています。
本記事では、「OEMって何?」「どんな準備が必要?」「リスクは?」といった、初めての方向けの疑問に応える形で、OEM化粧品製造の“入口”をわかりやすく紹介していきます。


化粧品OEM製造を始める理由——なぜ今、自社ブランドを持つのか?

オリジナル化粧品を持つことは、単に商品を販売するだけでなく、貴院の方針や価値観を患者様に伝えるツールにもなります。では、なぜ今、多くのクリニックや個人事業者がOEMを活用して化粧品製造を始めているのでしょうか?

■患者との信頼関係を築ける“ツール”になる

カウンセリングの際に、「市販のものではなく、先生が選んだアイテムが欲しい」と患者に言われた経験はありませんか?施術や診察を通じて築いた信頼を、そのまま製品という“かたち”にすることができるのがOEMです。
治療内容と連携した製品を提供できることで、施術後の効果維持やアフターケアの一環としても使いやすくなります。患者様の肌質や症状に合った化粧品を提供することで、治療に対する満足度やリピート率も自然と高まります。また、院内で提供する商品に一貫性を持たせることで、「このクリニックでケアが完結する」という安心感にもつながります。
加えて、ドクター自身が製品開発に関わったことを明確にすることで、患者にとっては「医師が関与しているからこその信頼感」が生まれます。自院の治療方針やスキンケアの哲学を伝えるアイテムとして、OEM製品は非常に有効なメッセージツールになります。

■収益の安定化と差別化戦略

保険診療中心の皮膚科では、収益が安定しにくいという課題があります。そこに、物販という柱を加えることで、収益の多様化が可能になります。特にドクターズコスメは単価が高めに設定されていても、信頼性が高いため購入されやすく、結果として利益率の高い商品群になりやすいのです。
さらに、オリジナル製品を持つことは、他院との差別化にもなります。近隣の競合クリニックとサービス内容が似通っている場合でも、「自院オリジナルの化粧品を提供している」という事実は、患者の印象に残るブランド要素となります。SNSや口コミでの話題性も生まれやすく、新規患者獲得にもつながります。
継続的な購入が期待できるリピート商品を導入すれば、在庫管理や受発注もシンプルにでき、業務効率化にもつながります。さらには、院内スタッフのモチベーション向上にも一役買うことがあり、販売に関わることで患者対応への意識も自然と向上するという相乗効果も見込めます。

■“想い”をカタチにできる時代

たとえば、「敏感肌の子どもにも使える保湿剤を作りたい」「美容と環境の両立を目指したヴィーガン処方のスキンケアを出したい」など、開業者や担当者自身の想いが製品というかたちで社会に出せる時代です。
以前はOEMといえば大企業や化粧品メーカーだけの選択肢でしたが、今では小規模でも柔軟に対応してくれる業者が多数存在します。想いに共感してくれるパートナー企業と出会えれば、ゼロからの開発でも、情熱を乗せた本物の製品を作ることが可能です。
また、自社ブランドの製品は将来的にオンライン販売や提携先への卸、イベント出展など、販路拡大の可能性を広げてくれます。自院の枠を超えた発信力を持つツールとして、OEM化粧品は新たな成長戦略の一歩とも言えるでしょう。


初めてでも安心!OEM製造の基本ステップと成功のコツ

「OEMに興味はあるけど、何から始めたらいいかわからない」という方も多いと思います。ここでは、初めての方でも取り組みやすいよう、OEM化粧品製造の基本ステップと注意点を紹介します。

■STEP1:企画・目的の明確化

まずは「なぜ作りたいのか」「誰に届けたいのか」を明確にしましょう。
• 施術後の肌に使える安全な保湿アイテム
• 自費診療メニューと組み合わせられる美白美容液
• 10代〜20代向けの毛穴ケア化粧水
目的が明確であるほど、OEM会社からの処方提案も的確になります。また、使用シーンや想定価格、リピーター率なども考慮しておくと、実際の販売戦略にもつながります。
さらに、どの販売チャネルを想定するか(院内販売、EC、自社サイト、卸など)を事前に決めておくことで、パッケージの仕様や広告戦略の方向性も見えてきます。初回ミーティングでは、現場スタッフの視点も交えて話し合うことが成功への第一歩となります。

■STEP2:OEM会社への相談・試作

信頼できるOEMパートナーを選び、企画内容を伝えると、成分提案や試作品の作成に進みます。納得のいく処方ができるまで、数回にわたってサンプル調整を行うケースも一般的です。
この段階では、使用感・香り・塗布後の肌の変化などを細かくチェックし、現場のスタッフやモニターの意見も取り入れながら改良することが重要です。納得のいくまで繰り返し相談できるパートナー選びも成功のカギとなります。
また、同時に検討しておくべきは価格設定です。原料の質や処方の複雑さによってコストが変動するため、想定する販売価格に見合う原価を見積もって調整することが重要です。コストパフォーマンスと使用満足度のバランスが鍵になります。

■STEP3:パッケージ・容器の選定

製品の魅力を左右するのが容器やパッケージです。最近では小ロット印刷でもスタイリッシュなラベルや化粧箱が作れるため、ブランドの世界観を伝えやすくなっています。
容器の素材や使い勝手、デザインの一貫性、保管方法や陳列のしやすさまで考慮すると、より完成度の高い製品になります。専用のデザイナーによるサポートを受けられるOEM企業もあり、初めての方でも安心です。
さらに、輸送コストや保管効率を踏まえたサイズ・重量の調整、環境配慮パッケージへの切り替えといった視点も近年重要視されています。ブランドイメージと製品機能を両立させた容器選びが、ユーザーの満足度を左右します。

■STEP4:表示・薬機法対応と製造

パッケージの成分表示や広告文言については、薬機法に基づく表現ルールがあります。これらはOEM業者がサポートしてくれることが多いですが、自院でも基本的なルールを押さえておくと安心です。
また、化粧品製造販売届出、成分表示名称の正確性、全成分表示リストの提出義務など、行政的な手続きにも関与することがあるため、書類管理やチェック体制も整えておきましょう。
商品ラベルに記載される全成分表示は、透明性や信頼性の証でもあります。仮にアレルゲン成分が含まれる場合、その表示によってユーザーが安全に選べる仕組みが整うため、誠実な表示がブランド信頼を高める要素となります。

■STEP5:納品・販売開始

製品が完成したら、指定の場所に納品されます。ECサイト、院内販売、イベントでの紹介など、販売チャネルに応じた販促準備も同時に進めておくとスムーズです。
また、販売後の顧客対応(例:使用方法の説明、FAQ、返品対応)も視野に入れた体制づくりが重要です。SNSやLINEでの情報発信、動画を使った使用方法の案内など、継続的なブランド育成にも取り組むとより成功に近づきます。
導入時は、販売スタッフの教育も忘れてはいけません。製品の特徴や使い方、患者への提案方法を共有し、チームとして取り組むことで、販売力が大きく変わります。必要に応じて販促ツールや紹介カードなども活用しましょう。


まとめ:化粧品OEM品製造は、クリニックの信頼と想いを形にする方法

化粧品OEM製造は、単なる“商品づくり”ではありません。患者との信頼関係を深め、クリニックの理念を伝える手段として、また新たな収益源としても大きな可能性を秘めています。
「難しそう」「大きな投資が必要では?」という不安も、小ロット対応のOEM企業やサポート体制の整ったパートナーの存在によって、今や十分に解消できる時代になりました。
まずは、小さなアイディアからでも構いません。試作を重ね、現場で試しながら、製品と患者、そしてスタッフが一緒に育てていけるような“愛される化粧品”を目指しましょう。
OEM化粧品製造は、あなたの“伝えたいこと”を、製品という形で世に送り出すチャンスです。

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