「日焼止めは何を選べば良いの?」そんな疑問を持ったことはありませんか?とくに敏感肌の方やお子さまの肌に使う場合、成分の違いはとても重要なポイントです。中でも「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の違い、そして「ノンケミカル」と書かれた製品の意味については、正しく理解しておきたいところ。今回は、日焼止めの基本的な成分の違いと、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。さらに、敏感肌にやさしい日焼止め選びのコツも紹介。ぜひ参考にしてください。
紫外線対策に使われる2つの代表的な成分とは?

●紫外線吸収剤とは?
紫外線吸収剤は、肌に届く前の紫外線を「吸収」して、化学反応により熱エネルギーなどに変換する成分です。透明感のある仕上がりや、使用感の軽さから、多くの市販日焼止め製品に使われています。代表的な紫外線吸収剤には以下のような成分があります。
- メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(オクチノキサート)
- オキシベンゾン
- アボベンゾン
- Tinosorb(チノソルブ)系など
これらは紫外線B波(UV-B)やA波(UV-A)を広範囲にカバーできるメリットがありますが、その分、化学反応による肌への刺激リスクがあり、特に敏感肌の人は注意が必要です。
●紫外線散乱剤とは?
一方、紫外線散乱剤は、物理的に紫外線を「反射・散乱」させて肌を守る成分です。いわゆる「物理的ブロック」というアプローチで、化学反応を伴わないため、肌への負担が少ないとされています。
代表的な成分は以下の通りです:
- 酸化チタン
- 酸化亜鉛
これらは、紫外線をまるごとはね返す仕組みで、特に敏感肌の人や赤ちゃん、肌荒れ中の方にも使用しやすいというメリットがあります。ただし、白浮きしやすかったり、きしみ感が出ることもあり、製品の処方によって使い心地に差が出やすい傾向があります。
ノンケミカル処方とは何を意味する?

「ノンケミカル」は化学成分不使用ではない
「ノンケミカル処方」と聞くと、「化学成分を使っていない」という印象を持たれることが多いですが、実際には「紫外線吸収剤を使用していない」という意味で使われていることが一般的です。つまり、「ノンケミカル=紫外線散乱剤のみを使った日焼止め」と理解しておくとよいでしょう。
酸化チタンや酸化亜鉛も化学的に処理された成分ではありますが、紫外線吸収剤のように化学反応を起こすタイプではないため、比較的肌に優しいとされています。
なぜ敏感肌にはノンケミカルがおすすめ?
敏感肌の人にとっては、以下のような紫外線吸収剤の性質が負担になる可能性があります:
- 肌のバリア機能を刺激する
- アレルギー反応や炎症を起こすリスクがある
- 肌の中で熱を発生することによる刺激
一方、紫外線散乱剤だけを使用したノンケミカル日焼止めは、化学反応を起こさず、皮膚表面で紫外線を反射させるので、炎症やかゆみのトリガーになりにくいという特徴があります。特に、アトピー性皮膚炎やニキビ、乾燥肌の方には、ノンケミカル処方の方が肌トラブルを避けやすいと言えるでしょう。
吸収剤・散乱剤のメリット・デメリットを比較
項目 | 紫外線吸収剤 | 紫外線散乱剤(ノンケミカル) |
---|---|---|
メカニズム | 紫外線を吸収し熱に変換 | 紫外線を物理的に反射・散乱させる |
使用感 | 軽くて透明感あり、伸びが良い | 白浮き・きしみが出やすいことがある |
肌への刺激 | 刺激になることがある | 比較的低刺激で敏感肌向け |
SPF・PAの持続性 | 高く保ちやすい | 水や汗にやや弱く、落ちやすいことがある |
成分例 | オキシベンゾン、アボベンゾンなど | 酸化チタン、酸化亜鉛 |
ノンケミカルでも白浮きしない製品が増えている

以前は「ノンケミカル=白浮き・使いにくい」というイメージが強くありましたが、現在では粒子の細かいナノ化技術や、分散技術の進歩により、使い心地の良い製品が多く登場しています。
特に以下のような工夫を施したノンケミカル日焼止めは、敏感肌の方でも安心して使える上に、使用感にも満足できるでしょう。
- ナノ化された酸化亜鉛・酸化チタンを使用
- 保湿成分や天然由来の整肌成分を配合
- ウォータープルーフタイプでもやさしい処方
子どもや赤ちゃんに使うならどちら?

子どもや乳幼児に使う日焼止めは、紫外線吸収剤が含まれていない「ノンケミカル」タイプが推奨されることが多いです。理由は以下の通りです:
- 肌のバリア機能が未発達であるため、吸収剤の刺激を受けやすい
- 摂取や舐めてしまうリスクを考慮
- 毎日使う可能性があるため、低刺激性を優先したい
「ベビー用」と明記された製品や、「敏感肌用」「紫外線吸収剤フリー」などの表示があるものを選ぶと安心です。
紫外線防御力(SPF/PA)もチェックしよう

ノンケミカル処方でも、紫外線防御力がしっかりしていれば安心です。数値の意味も再確認しておきましょう。
- SPF(Sun Protection Factor):主にUV-B(シミ・そばかすの原因)を防ぐ力。SPF30であれば約10時間程度の防御効果。
- PA(Protection Grade of UVA):UV-A(たるみ・シワの原因)を防ぐ力。「+」が多いほど高い防御力。
ノンケミカルでも、**SPF30/PA+++**など、日常使いには十分な数値の製品があります。数値が高すぎるとかえって肌負担になることもあるので、用途に合った選び方がポイントです。
まとめ:敏感肌や子どもにはノンケミカル日焼止めがベスト

日焼止めを選ぶときのポイントを整理すると以下の通りです:
- 紫外線吸収剤は軽い使用感だが、敏感肌には刺激になることがある
- 紫外線散乱剤(ノンケミカル)は物理的に紫外線をブロックし、刺激が少ない
- ノンケミカル処方でも技術の進歩により白浮きしにくくなっている
- 敏感肌や子どもには紫外線吸収剤フリーの製品が安心
- 使用目的に応じて、SPF/PAの数値と処方をチェックすることが重要
肌に合った日焼止めを選ぶことで、紫外線から肌を守るだけでなく、日々のスキンケアの質も格段に向上します。これからの季節に向けて、自分にぴったりのUVケアを見つけましょう。
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